二万余日記 © kawase hisaki 2025 All rights reserved.
わが川             ふと思い出すイメージとしての川は ほぼ常に 白みがかった茶色の砂利と土と、丸みを帯び たこどもにとっては手に余る大きさの灰色の 石が常に湧いている その中に細々と頼りな く乾かずに残っていると形容せざるを得ない ような流量の  水 それを錆びた金属でできた小さな橋の上から 視ている 川は古い名を纏う山山の代謝の残 り香のように横たわる そんな土地に自分は 育ち住んだのだと感じながら 時を経て その川がみずからを溢れさせる夏 がまれに起こることを遠く離れたこの街区で 耳にするたび その土地に生き続けた自分に 滾ることがあったかもしれない希求を 今、 kandagawa という音が付与されている構造物 を洗ってゆく高速の水流を見つめながら 重 くなりゆく体に想像している まだ暑さの去 らない秋にいる top (contact : info アットマーク nimanyojitsuki.blue)