silence
有機物の存在の名残を
まだ残る嗅覚で
この身に擦りつけようと
訪れた人工干潟
腐敗に近接した水を日々吸い続け
加速の付いた経年変化を見せる
生態系
の説明書きの看板
それを読むに
ここを整えることを通して
友愛を育まんとする人々がいるという
その情景を想起していると
数百日前よりも凋んだことが実感される
胸の中の熱が外気の冷ややかさを
微弱な危機として察知したので
周囲に目を遣ると
青暗く暮れゆく空
を映して末端の海の濃紺が
漆黒に傾斜する
その表面に浮かぶものが
何かと思えば
いちまいの
わたし
と気付き
それから目をすぐに逸らして
古びたヘッドライトの重なりに
まみれる海岸通りへと
歩み去る
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