二万余日記 © kawase hisaki 2025 All rights reserved.
silence             有機物の存在の名残を まだ残る嗅覚で この身に擦りつけようと 訪れた人工干潟 腐敗に近接した水を日々吸い続け 加速の付いた経年変化を見せる 生態系 の説明書きの看板 それを読むに ここを整えることを通して 友愛を育まんとする人々がいるという その情景を想起していると 数百日前よりも凋んだことが実感される 胸の中の熱が外気の冷ややかさを 微弱な危機として察知したので 周囲に目を遣ると 青暗く暮れゆく空 を映して末端の海の濃紺が 漆黒に傾斜する その表面に浮かぶものが 何かと思えば いちまいの わたし と気付き それから目をすぐに逸らして 古びたヘッドライトの重なりに まみれる海岸通りへと 歩み去る top (contact : info アットマーク nimanyojitsuki.blue)