旧世紀
もう何度となく
手の中に黒い珈琲の熱を抱えつつ
たわむれに足を運び
ほのかな軋みを愉しんだ
新日の出橋にまたやって来て
濃緑色の運河を通り過ぎようとすると
すっかり見飽きたと決め込んでいた
少し遠くの人工島を構成する
四角い建造物たちの群れが
いつしか肌から遠くなったはずの
白みを極めた日の光に纏わりつかれ
その新しいまま朽ちてゆくだろう姿を
史上最も明確に 高い彩度で
左眼の端に差し込んできた
わたしの感情が
灰赤色の脳の最上部の表面の
薄い層一枚でしか
歓んでいないのを
まざまざと認知して
水瓶座を迎え入れようとする
あと幾度来るか知れない
冬の深まり始めたのを
薄着のこの肉体で
感受する
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